サービスの「先」にあるもの

 兵庫県内の若手NPOワーカー(U40)の緩やかなネットワーク組織「ひょうごNPOユース」は隔月で勉強会を開いていますが、年に一回はしっかり学ぶ場を持つ、ということで、合宿を新春に行います。



 で、2010年1月10日(日)〜11日(月)の合宿の企画担当を自分がすることになっており、他のメンバーの方々の協力もいただきつつ、コンセプトをまとめあげ、講師の方との調整を進めています。



 今回の合宿のコンセプトは「『思いの強度』をいかにして鍛えるか?」。NPOワーカーの働く原動力となっている「自分が○○せなば!/したい!」という「思い」。そうした「思い」には、「何が何でも実現してやるんや!」という強度のあるものから「まぁできたらいいいかな」くらいの強度ですぐに折れてしまうものまで、幅があります。



 NPOワーカーたるもの、ちょっとやそっとの壁ではくじけることのない、高い強度の思いを持ちたいもの。しかし、それは「持たんかい!」と先輩が声を張り上げたからといって、鍛えられる訳ではありません。



 以前、このブログでも少し言及しましたが、ニーズを確かめていく中で、「社会で何が求められているのか?」「本当に誰が/どのように困っているのか?」「私たちを待っている人は誰なのか?」といった問いへ答える際に「こんだけのニーズがあるんだ」という根拠を強く持って臨めることが、強度を鍛えることにつながっていきますが、それだけではありません。



 こうしたニーズは中短期的に強度を支えるものになりますが、長期的には△、というところがあると思っています。では、一体何が長期的に思いの強度を支えるのでしょうか?



 それは自らが創り出していくサービスの「先」に創り出そうとしている社会のありよう(ビジョン)ではないかと私は考えています。私もそうですが、NPOワーカーの多くは、ニーズと向き合いながら、「どのようにすれば新たな公共サービスが創れるのか?どのようにすればそのサービスの事業性は担保できるのか?」といったことを常日頃、考えていることでしょう。



 しかし、以下の問いとはどの程度、向き合いきっているでしょう。「そうした一つひとつの企画が実現していった先にある社会のイメージはどのようなものなのか?」いや、問いを逆算的に変えれば、「目指すべき社会システムのデザインはどのようなものであるのか?その社会デザインから考えてみて一つひとつの企画はどうあるべきなのか?」という方がより良い問いです。



 こうしたサービスの「先」にある「社会のありよう」に対するビジョンこそが、思いの強度を長期に支えるものに他ならないと考えています。もちろん、そのビジョンが独りよがりにならないようにするためには、多様な方々との対話や向き合っているニーズの深い理解、社会哲学との格闘などが必要で、一人悶々として「悟り」がひらけるものではありません。



 今回の合宿では、市民セクターから社会全体へのムーブメントを多く仕掛けてきた先達から、どのように「思いの強度」を鍛えてこられ、そして、鍛え上げた思いをカタチにして社会を大きく動かしてきたのかといったあたりをお伺いし、各個々人の「思い」の強度を長期的に支えるビジョンのデザイン等に取り組んでみようかと考えています。



 まだ募集は始まっていませんが、ご参加希望の方は川中までご連絡ください。チラシのデータをお送りいたします。