「主張するデザイン」

tvac.jpg 先週末、東京に出張してきた際、東京ボランティア・市民活動センターで「主張するデザイン−NPO・市民活動のデザイン博」を見学してきました。



 リブ新宿センター設立運動や砂川闘争、吉野川可動堰を問う住民投票運動など、非常に歴史的にも意味深い社会運動で展開されたクリエイティブを拝見してきました。



 その中で、思ったことは、こうした先人たちが、悲しみと苦しみの中で運動した結果、時代は決して悪い方向だけではなく、良い方向にも動いている、ということでした。私もそうですが、つい社会の「課題」の方にばかり目が行ってしまって、いい変化を見落としがちですね。



 昔は今よりも、きっと「負け戦」も多かっただろうにとってもエネルギッシュに、とっても生き生きと運動されたであろう先人の姿がクリエイティブから(かなりクリアに)想像でき、私たちはもっともっと良い方向に社会を持っていけると勇気づけられました。



 「主張するデザイン」展は今週末の6月14日まで、東京・飯田橋のTVACにて行われています。TVACが発行している『ネットワーク』(2009年1・2月号)でも読むことができますが、やはり「生」は違いますねぇ。「生」が発することで、その時代の息づかいがより伝わってきますし、場の空気感が非常に刺激的です。ぜひご覧いただきたいです。



 ちなみに、04年度に日本デザイナー学院で教えていた時も、06年度〜07年度に大阪成蹊大学芸術学部で教えていた時も、デザイナーの卵のみなさんに「人にものを売りつけるデザイン」ではなく「人を幸せにするデザイン・社会を幸せにするデザイン」についても考えてもらっていました。その時に痛感したのは「デザイナーのチカラ」を僕らはもっともっと借りる必要がある、ということでした。



 僕が授業で出会った学生さんのデザイナーとしての能力に何度も「やられたー」と感嘆の声をあげたものです。デザイナーの共感する心をくすぐり、デザイナーとうまくコラボすることが、「発信下手」なNPO・市民活動のメンバーに求められていると思います。そんな問題意識は、3月に行った「+メディア」というワークショップでもカタチにしましたが、今後もカタチにしていきます!