なぜボランティアか?

 「なぜボランティアか?」という問いかけは、ボランティアを受入れる組織が最初に答えを明確にするべき問いだと言われています。この問いに答える時、お金がないから…、人手が足りないから…といった消極的理由ではない、積極的理由が求められます。



 それは至極当然のことです。単に「お金なくて人雇えないからボランティアして」と言えば、せっかくミッションに共感して集った、意志のある存在であるボランティアを単なる労働力としてしか、看做していないことを表明しているようなものです。そのように言われて、「やったろう!」という気持ちが飛揚することはないでしょう。



 2001年大阪で、アメリカでボランティアマネジメントの第一人者と言われるスーザン・エリスさん(エナジャイズ社)のワークショップに参加しました。その際、スーザンさんは「私があなたの求めるだけのお金をいくらでも提供すると言ってもボランティアをパートナーにするか?」と問われました。



 では、シチズンシップ共育企画は、なぜボランティアを用いているのか?、なぜ学生がボランティアの中心にいるのか?と問われそうです。



 まず、どこのNPOにも共通していることとしては、マーケットが未成熟で経済的にすぐに成り立たない、でも、社会的には必要性がある、しかもそれは既存の公益・非営利セクターが十分に取り組めていないものである、といった事業を展開していくには、その必要性に共感するボランティアの力でもって、社会に必要性を訴え、マーケットを掘り起こしていくことが求められているからでしょう。ボランティアだからこその先駆的なチャレンジが可能になります。ですから、私たちは常にチャレンジが求められているのだと考えています。



 次に、ではなぜ学生か?ということですが、2008年を締めくくるにあたって、ボランティアのみんなに僕から出したメッセージを転載することでもって、お応えしましょう。