「夢」をうる仕事なんだから。

 2月は29日間ですが、実にその内、14日間は何らかの場(研修、ワークショップ、会議、座談会等)でファシリテートの仕事をしていることに気づきました。一日に二本することもあり、おかげさまで、今月も何かと忙しい毎日です。今日はラジオ番組の収録もあり、自分がなぜこういう仕事をするに至ったのか、お話をいたしました。



 そこで、ふと思ったのですが、NPOのスタッフというのは、ある意味、「夢」をうっている仕事、とも言えなくもないなと。「こういう社会っていいよね」「こういう生き方もありでしょ」という、既存の夢とは違う「オルタナティブな夢」を社会に提供し、共感を集め、活動を前進させていっているわけですから。



 「夢をうる仕事」と言えば、芸能界(ほんまかいな)。そう思わせられるのは、よくテレビで「夢をうってる仕事なんだから…」とたしなめる風景を見ているからなわけですが、こういう自覚って、実はNPOスタッフにも必要かも、と思ったりします。



 NPOスタッフが毎日朝から晩まで追われるように働き続け、忙しさに負けて、しんどそうにしていたり、疲弊している姿をみて、誰がその人の目指している社会を一緒につくろうと思うでしょうか。



 もちろん、ずっと仕事していることが悪いことだなどと単純化して言う気は毛頭ありません。また、しんどくても、無理をして辛さを表に出すなと言う気も毛頭ありません。



 働く中で、「わたし」が生きる意味というものを充足させつつ、他者とつながり、「あそび」の要素も交えつつ、楽しみを得ながら、社会を動かしていく。これを自然体でできるようにすることが大事だと思う訳です。



 そのためには、というところの答えは、人それぞれだと思います。朝から晩まで仕事することの方がそうなれる、というのであれば、それでいいし、ワーク・ライフ・バランスをきちんととらないとそうなれない、というのであれば、オフをしっかりとればいいわけです。



 要は自分の型に気づくことが重要なのでしょう。



 「夢をうってる仕事なんだから…」とたしなめられるような顔をしている時は、あるいはそういう発言をしてしまった時は、働きかたを見つめ直すキッカケを得た時でしょう。



 僕はなんだかんだいいながら、自分の型を見つけ出しつつありますのでええんですが(中にはそれでは甘い!とお叱りを受けるかもしれませんが…)、疲弊気味の若手NPOスタッフの何人かを見ていて、「これでええんか?」と疑問に感じるときが少しあるわけです。そんな顔してたら、次の若手がこの業界には入ってこーへんし、わざわざリスキーな人生を送っているあなたにとってもええことないで、と思ってしまいます。



 その人の個人的な問題、というわけでないでしょう。その人をそんな状態でも駆動させる環境や社会のメッセージ様々な要因があることは言うまでもありません。そうした環境とうまくつきあいながら、いい「生」を送っていきたいものですよね。