自分から仕掛ける

 今月は本当に投稿数が少なくなってしまいました…読者のみなさま、スイマセン!この間のお仕事の報告につきましては、シチズンシップ共育企画のウェブサイトで行なっていますので、そちらをご覧下さい。



 今月は大学関係でご依頼いただいたお仕事が他の月よりも多く、自分が出講している大学以外の学生/院生の方々と触れる機会に恵まれました。いずれの場においても、真摯に参加いただき、参加者によって実りあるワークショップに仕上げていただきました。



 ただ、その中で少し気になったのが、学生/院生の方々の中で「自分から仕掛ける」という姿勢がやや見えにくくなってきているというものです。近年の大学の支援メニューの充実ぶりの逆機能として、「大学に用意された(豊富な)プログラムに乗っかっていけばいい」と受動化を招くのではないかという話が、大学教職員間では交わされますが、その床屋談義もあながち、外れていなさそうです。



 キャリアセンターや学生部、その他の各種センターの教職員の方々が知恵を絞り、多くの汗を流して、具現化していっている学生支援メニューは、自分の学生時代から考えても飛躍的に充実しています。その結果として、大学が用意しているプログラムをこなすだけ十分な満腹感(やった気)が得られるため、巣で餌を待つ「ひな鳥」のような状態を導きかねません。



 分かりやすい肌感覚の変化では、最近の学生対象の講座を終えた時に、名刺をもらいにくる人やメールを送ってくれる人が減りました。もちろん、何が何でももらいたい!つながりたい!!と思わせれていない僕の未熟さも多分にあることでしょう。でも、これはどうやら僕だけではないみたいで、同業の先輩も同様のことを仰っていました。ちょっと面白いのは、僕からそうした方々にメールを一本送ると、次から何度も送り返してくるようになるというのもあります。恐れられているのか(苦笑)、何かと「待ち」の姿勢です。



 NPO業界で言われたことですが、NPOが早くから活躍している地域というのは、行政のNPO支援の腰が「当初」重たかった地域です。単純化して言えば、「何もやってくれないから自分たちでがんばらないと!」となったということです(ただし、概ねそういう地域の行政は、今はNPO支援にかなり力をいれていることが多く、加速し出したら、しっかりと後押しをしています)。



 機会を与えつつ、与え過ぎず、でも、加速している時はきちんと追い風を吹かす。このバランス感覚は非常に難しいものですが、「いい塩梅」をうまく見つけ出すことが、(自分のような非常勤も含めた)大学人には課せられていると言えるでしょう。



 社会常識は押さえつつ、どん欲に大学の内外を問わず、自分からどんどんつながっていき、様々なプロジェクトを仕掛けていけば、学生の内は特に、社会が応援してくれるものです。豊富になった学生支援メニューをしっかり使いこなし、(表現はよくないですが)踏み台にしていけば、もっともっと若者の可能性は大きく顕現化されるものだと思っています。



 ポテンシャル豊かな学生に多く出会えた12月。そんな彼ら/彼女らがこじんまりとして、「もったいない」と社会から言われないよう、動きを大きく展開して欲しいなと願うばかりです。