共生概念から欠落する連帯概念

 9月の最終週から後期の大学の授業が始まりました。後期は次の科目で非常勤講師を担当します。



 甲南女子大学NGO論B(日本のNGO)」、大阪樟蔭女子大学「教育社会学」、大阪経済大学大学院「人間共生特殊講義」。加えて、ゲストとして何回か登場することになっている科目として、立命館大学「ユースサービス概論(大学コンソーシアム京都単位互換制度コーディネート科目)」があります。



 今期はどんな学生さんと出会えるのか、おおいに楽しみです。春学期は、森林文化アカデミーの学生さんとの出会いが自分にとってはいい刺激でした。今回も「俺もがんばらななー」と揺さぶられる学生さんと出会いたいものです。



 今学期、一番、自分としてチャレンジが多いのは、大学院の授業です。この年齢(26歳)で、修士課程の科目を担当することになるとは夢にも思いませんでしたが、これもNPO業界の先輩の推薦あってのことです。その方の期待にお応えするためにも、骨のあるいい授業をせなあきません。



 初回の講義では、この科目(人間共生特殊講義)を担当する上で、私が授業を通じて向き合っていきたい6つの問いをまとめました。資料はこちらを参照ください。



 要点としては、今唱えられていたり、実現化されていっている「共生社会」というものには、「連帯」という概念が抜け落ちていないか?というのが、大きな投げかけとなります。



 最近になって、論壇でも「連帯」という言葉が、改めて注目されていますが、「連帯なき共生」というものは、既に進行しています。このまま、その進行が展開されていくと、何が起こるのか。その予想される未来像の視点から現実を批判していき、オルタナティブを構想することを考えていきたいなと思っています。



 こうした試みは、ともすれば、理論的で現場から離れやすいものです。そこで、人間共生特殊講義の特徴は、「共生社会の創造」と向き合っている現場の目線から「共生社会」という理念や理論を吟味していくところにあります。



 理論のつるつるっとした言葉ではない、現場発のごちゃごちゃした/ざらざらした言葉をしっかり聴き、そこから理論化を問うていくという少し難しいことを目指しています。



 そのため、超豪華なゲスト陣をお迎えします。「ちょっと覗いてみたいな」という方、ご相談ください。毎週木曜4限(16:20-17:50)です。