しなやかな老い

 ここ2〜3年くらい、ご年配の方を対象にNPOマネジメントのお話をする機会が増えています。市民活動関係のみならず、地域団体の役員研修なども担当しております。今週末、千葉で担当した講座もご年配の方が多いものでした。



 毎回、こんな若い自分の話に耳を傾けてくださり、自分が指示したワークに取り組んでくださる光景を目の当たりにし、本当にスゴイなぁと頭が下がる思いです。その学びへの貪欲な姿勢や謙虚な姿勢を、自分が60歳を過ぎても持てているだろうかと思うと、何とも言えない訳で(汗)。



 特に自分が担当する講座の場合、「ワークショップ」というスタイルをとることになるのですが、このスタイルはご年配の方にとっては「新奇」なものに他なりません。さぞ戸惑いも多いことでしょう。



 しかし、時折、参加された方々から「よぉわからんけど、先生の言うてることやし、ワークっていうのをやってみたんやけど、やってる内に意味がわかったわ。」とか「だまされたと思って、やってみたら、おもろいな。」というお声をいただくことがあります。



 こうしたお声を聞いた際に、ご年配の方々のスゴさを特に実感するのです。「新たなるもの」と出会った時に、「それ何?そんなんせんでえぇやん。」「私はそんなやり方をしたことない」と疑って、否定してかかる人もいるでしょう。



 そうではなく、「まぁやってみよっか」と手と頭を動かす(プラグマティズム!)、その「しなやかさ」。ここに驚かされます。もちろん、全ての方がそうではありませんが、「硬直する老い」ではなく「しなやかな老い」を生きられている方と出会った際に、「僕もこうあれそうか?」という問いと向き合わざるを得なくなります。



 講座を通じて、僕は様々な方と出会えます。幼稚園児から高齢者の方まで、実に多様で多くの方に一年間でお会いできます。これが講座講師業の何よりも面白いところです。このメリットは、自分の「生き方」を問い直す契機に常に恵まれているということです。



 しなやかに老いたいものです。今日もそう思わされました。