相和する剣道

 久々に購入した『剣道日本』の2007年10月号に、馬場欽司先生による「相和する剣道」というコラムがありました。



 柔道家山下泰裕氏の「相手と融和した柔道」に着想を得つつ、「自分と相手が互いに気を高め合ったところで初めて良い技が炸裂する」ことを「相和する剣道」と馬場先生は名付けられています。



 中高生の剣道に見られる光景ですが、試合開始とともに攻めもなく飛び出していくような「自分本位の剣道」では、剣道の舞台としては未熟であると。



 気と機を合わせつつ、相手を引き立てたり、相手の力も借りたりして、相手と融和し高め合っていくという「剣を通じた交わり」をどう生み出していくのか、ここに「相和する剣道」の投げかけはあります。



 この馬場先生のコラムを読みながら、「相和する協働(道)」というコンセプトを考えたりしてしまいました。協働もパートナー同士の融和を通じた高め合いが必要で、片方の自分本位が先立つと不完全なものに仕上がってしまいます。



 余談ですが、最近の雑誌ってすごいですねぇ。今回購入した『剣道日本』には、玉竜旗高校大会の注目試合の映像を収めたDVDが付録でついていました(それでなんと980円!)。



 テレビ放映されることの少ない剣道の試合を動画で見れる幸せ、これを分かっているあたり、さすが専門特化した雑誌ですなぁ。