ワークショップの名記録!

ikiru.jpg ワークショップの記録は難しい。単純にいつ、誰が、どういうことをしたのか(どんな指示を出したとか小講義をしたとか)、それを書く記録は簡単です。



 ワークショップの記録が難しいのは、2つの理由からです。個人ワークにせよ、グループワークにせよ、そのアウトプットを記録しきるのが、とっても大変だし、ちゃんとしようとしたら、参加者からアウトプットを回収しちゃわないといけなくなる。これは1つ目の理由。



 でも、この理由はクリアのしようがいくらでもあります。コピー機が施設にあれば、すぐに返せますし、最近はデジカメの性能もあがり、ぱしゃぱしゃっと撮るだけで、ひとまず「おさえる」のはできるようになりました。



 問題は、2つ目の理由です。ワークをつくっている最中を中心に、参加者同士や参加者とファシリテーター/ゲストとの間のコミュニケーションを通じた変化をどう描ききるのか。これが2つ目の理由。



 これまで、僕も色んなワークショップの記録をとり、またとられ、他の方の「仕事」を観させてきています。でも、なかなか「これだっ!」というのに出会えませんでした。



 そんな中、最近読んだ本で、「これだよ、これっ!」と思ったのが、菊池信義さんの『みんなの「生きる」をデザインしよう』(白水社、2007年)です。



 NHKの「課外授業 ようこそ先輩」で展開された、谷川俊太郎さんの詩「生きる」の装丁を考えるのワークショップの記録なのですが、本当に瑞々しいタッチの表現で、読みながら、自分もその教室にいるかのような追体験ができます。菊池さんから子どもへの問いかけが、自分にも向いている。そう何度も感じ、考えさせられました。



 いつか自分もこのようなレベルの記録にも十分に耐え得るほど、「分厚いワークショップ」をしたいものですし、また、それをしっかりとかようにまとめたいものです。



 自分は一体全体、どんなときに「生きているということ」を感じるのか、「生」の学習の教材としても一級品。



 僕はこの本を読んで考えて、谷川俊太郎さんの「生きる」の詩に足す自分なりの一行は、「手応えをいただくということ」としましたみなさんは、「あぁ、自分がいま、生きている」と感じるのは、どういう時でしょうか。ぜひ考えてみていただきたいなと思います。



 ちなみに、記録ということに少し関係しますが、「ファシリテーション・グラフィック」の講座を再度行ないます。議事録は「結果」をまとめるものですが、ファシグラは議論の「過程」をまとめるもの。そのまとめる作業そのものが、場に影響をもたらし、より円滑な参加型会議を可能とします。そんなステキなスキルを一緒にぜひ学びましょう!