利害で物事を考えるな

 たまには、肩の力を抜いた話でも書きましょう。最近、僕の講座に出た方は、僕の口からテレビドラマ「拝啓、父上様」の話を端々で聞かれていると思います。



 高校時代は、今考えれば「異常」と思えるほどに、テレビドラマを観ていたのですが、大学に入ってからは、どんどんペースダウン(高校時代はテレビ雑誌を漏れなく買い続けてました)。今は観ていることの方が珍しいくらいなのですが、今クールの「拝啓、父上様」は、その世界観にひかれ、観続けています。



 簡単に言うとハマっているわけで、講座の中でもついつい登場しちゃうわけです。そんな「拝啓、父上様」には「うーむ」と唸らされる名言がたまに出てきます。



 今回(第8話)では「利害で物事を考えるな。利害で物事を考えるのはくずのすることだ。」との言葉がどしっと来ました。よく言うことですが、人生は選択の連続。その選択基準として、自分の中にポリシーとなるもの(軸)をもてるかどうか、これが大事なんですよねぇ。そのことをよく大学の授業でも、後輩に対しても言っているものです。



 なので、よく分かってはいるんです。しかし、このように「ずばっ」と言い切られた言葉が自分の心に重くのしかかってきたのは、きっと今の僕の中に「利害で考える自分」がどこかにいるからでしょう。良い悪いではなく、それが今の自分なんでしょう。自分の軸が何か、もう一度自己点検しなきゃいけませんね。



 まぁそんなこんなで「拝啓、父上様」、オススメであります(笑)



 ちなみに、僕が尊敬している哲学者の一人である鶴見俊輔さんも、よくテレビドラマの話を引き合いに出されています。最新号の「論座」でのインタビューでは「ハケンの品格」を、昔、関学の広報誌「POPLAR」での対談では「ランチの女王」を紹介されていました。



 テレビドラマも見方次第です、きっと。