「相思相愛」を掲げた日

 毎年、11月3日になると「相思相愛」という言葉を思い出します。



 関学高等部3年の時に仲間と一緒に形にした文化祭で掲げたコンセプトです。その当時、過去2年間に渡って文化祭のテーマは「自分」に照準をあてたものでした。確立した自己を表現する場としての文化祭、という位置づけでした。



 その流れを発展的に継承したのが「相思相愛」というコンセプトでした。「確立した自己の表現」を相互に尊重しあい、受け容れあう場としての文化祭への発展です。



 自分から「他者」への照準移動は、僕のアイデアではなく、副実行委員長の上田によるものでしたが、今考えても、素晴らしい着眼でした。



 高等部は男子校ですので、どうしても「相思相愛」という言葉の響きが「えぇっ!?」という反応を導き出したものです。しかし、それだけにキャッチでした。その意味でも、よくできたコンセプトです。



 他者が「伝えたい」という思いでまっすぐに表現したものに対し、まっすぐ心を向け、受け容れていく。さて、今の僕らは、今の高等部生は、どれだけできているか。



 自己/他者がひとつの関係の中で表現/受容をするということ。その崇高な、でも、とっても大切なことを毎年この日は再確認させられます。



 今年の高等部文化祭のコンセプトは「青嵐〜青春の嵐を巻き起こせ〜」というものだとか。若き青春の情熱を惜しみなく表現し、他者/社会に対して「提起」をする一日となることを希いたいと思います。