骨太なマネジメント講座の価値を高める

 最近、マネジメント講座で人が集まらない、という話をきくことが増えました。この間の(全国的、特に関西での)反応の悪さは、私も含めてですが、これまで講座をしてきた人間の責任という面は否めません。「結局、講座を受けても、現場は変わらない」という感覚を持つ、そういう反応の高まりを感じだしています。



 講師の側がきちんと現場を変えられるだけのプログラムを提供し、現場の側がきちんと意思を強く持って変えるだけの覚悟をもつ。この両方がないと講座は「時間の無駄遣い」です。関西では、どっちもまだまだ、と思っています。



 特に、余り企画を練り込まずに「とりあえず」という感じで「えらい」人の講義や講演を聞くだけのプログラムになっていたり、成功事例を(半ば自慢大会のような感じで)聞くだけのプログラムになっていたりするマネジメント講座は、(たとえ人が集まっても)現場への変革にどこまで貢献できるのか、難しいところです。



 きちんとメカニズム部分にも切り込み、学んだことを自らの現場にあてはめていく、そしてあてはめこんでみたことを「事例」として全体の教材にしていく。こうした内容の講座を増やしていかないといけません。



 現況下では、リピーターが増えず、毎回新規顧客を対象とすることになりがちです。こうなると、業界的に「ネクストステージ」と言える内容の研修がいつまでたっても打てず、「入門」とか「基礎」とかをやりつづけることになります。「入門」も「基礎」も大事ですが、そればっかりというのは、余りよくない状況ではないでしょうか。

 

 もちろん、講座を一つの機会とし、飛躍的に成長した団体は、(自分が行きたいというだけではなく、他のメンバーに行かせたいという類も含め)リピートの「意思」はあっても、「忙しさ」に悩まされ、講座に足を運べない状況なのでしょう。しかし、この「忙しさ」も曲者で、それを言い訳に、(一定成長した)現役マネジャーが部下に学習する時間を与えずに、部下を育てる責任を全うしていないという場面も少なからず見受けます。



 自分は「学習する組織」「学習する個人」の重要性を感じてもらえる場を丁寧に作りつづけるほかない、そう思っていますが、他にもすべきことは多いでしょうね。



 内容はコンパクトに、時間は短く…と「お手軽な講座」が流行です。この流行を無視はできませんし、利用していく必要はありますが、そればっかりにならないよう、骨太な講座の価値を感じてもらえるよう、「問題提起」も忘れたくないものです。