KAROSHI

 学生の時に行った教育実習で取り扱ったテーマは、「人はなぜ学ぶのか?」と「人はなぜ働くのか?」というものでした。「現代社会」という科目だったので、「学ぶこと」と「働くこと」の社会変容、そして現代の「学び」と「働く」の課題/動向について、講義をしました。



 個人的には、当時、メディア/コミュニケーション論のゼミにいたので、メディア文化論について取り上げたかったのですが、色々な制約条件の中で、上の二つの(重たい)テーマとなったのでした。



 で、「人はなぜ働くのか?」の回で、「つかみ」で取り上げたのが「KAROSHI」という言葉です。日本語の「過労死」という言葉が英語圏に輸出され、英単語化しているという事実を提示しました。



 そして、生徒に「24時間、たたかえますか〜♪」という某栄養ドリンクのCMを知っている人?と聞いたのでした。その時は、「知っている」と応えた生徒はいませんでした。



 授業では、このCMが流れた時代と、流れていない現在で、「働く」ということが、どう変わったのかという展開をしたのでした。(詳しくは、ここにアップしている資料をご覧ください)



 …こんな数年前の授業を思い出したのは、他ならぬそのCMが再びテレビから聞こえてきたらかです。



 景気が回復(したと言われ)、新卒学生の正社員採用が「バブル」と言われていますが、そうした回復をした途端に、バブル時代のCMがすぐに召還されるあたり、この国の企業と社員の関係は、やはりいびつだと感じます。



 今日は休暇だったのですが、どうも家で仕事をする気になれず、本屋さんに出向きましたが、効率よく仕事するためのノウハウ本やタイムマネジメントの本が、あきれるくらいに新刊で出ているのをみて、ホントに「仕事好き」な国だなぁと。。



 数年前に、「スロー」が注目を集め、いまなお、LOHASブームは続いているとは言えますが、(新しい)「モーレツ」の台頭の中で、どうなることでしょう。



 「スロー」に憧れつつ、「モーレツ」を選択せざるを得ない、そんな生き方の選択がまた増えてしまうのでしょうか。「後退」という価値判断基準を含んだ物言いは、避けるべきかもしれませんが、僕にはやはり「後退」のように思えます。



 みなさんは、24時間、たたかえますか? いや、たたかいたいですか?