ニーズを記述せよ。

 本日、シチズンシップ共育企画のサイトで、ここ一週間近くの動きを報告しましたが、今日は千葉のNPOクラブの研修でした。最近、ご依頼の多い広報講座でありました。会議・広報・企画は、毎年ニーズの高い講座ですね。ボラマネとか人材育成ももう少しニーズが顕在化して欲しいものです。



 基本的に僕は、講座終了後、主催者の方と評価会をするようにしているのですが、今日はそれもできず、一目散に京都に戻ることに。。15時過ぎまで千葉で講座をして、19時からは京エコロジーセンター助成金書類を審査する委員会に出る、という、とっても移動に難のあるスケジュールだったのです。(→やはり少し遅れてしまいましたが…)



 で、今日、助成金申請書類を読みながら思ったのが、殆どの企画書の共感力がもう一歩だなぁということ。プログラムの意義とかおもしろさとかは、何となく想像できるのですが、でも、「なぜ、いま、この地域で?」という部分が、曖昧なものが多いのです。。



 ニーズの記述こそ、助成金の審査で最も見るべき項目です。ニーズの記述が甘いというのは、wantsベースの活動展開であって、助成金を出す社会的意味が見出しにくいということになります(助成金審査の際に求められるのは、情緒的共感ではなく、論理的共感の喚起です)。



 例えば、環境教育のツールづくり、とした場合、「現在、出回っているツールはこういうもので、京都地域では△△という用いられ方が一般である。これでは、××という理由から、子どもたちの○○は■■にできない。そこで、わが団体の**という特性を活かした、新しい☆☆なツールが必要である。」くらいまでの記述は欲しいなと。もちろん、そこに実証的データがあれば、なお良しです。



 ニーズから見た時に、適正な手法でアプローチできているのか?、その的確なアプローチを行うに十分な資源を有し、獲得していく準備があるか?、と審査員は考えを展開していくべきものなので、一番最初の「ニーズ」が曖昧だと、審査しづらいわけです。



 というわけで、僕の採点結果は、面白い観点で、企画を出しているなぁと思っても、「なぜこの企画い思い至ったのか?」という背景や理由が見えない場合は、低い評価をつけました。どれだけ実績がある団体であってもです。(逆にニーズを記述しようと努力したところに点数をつけています)



 「何をしたいのか?」ではなく「なぜ必要なのか?」に力点を置くことこそ、助成金審査に通る資料づくりです。これから、助成金シーズンが本格化します。助成金申請、ちょっとその前に、審査する側の視点に立って、読み直してみましょう。