カルチュラル・クリエイティブス

 「21世紀社会をダイナミックに創造し、生き抜く。カルチュラル・クリエイティブスを世に送る大学院。」



 これ、今月の『ソトコト』の特集「ロハスNPONGO大図鑑」で紹介されている、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科の見出し。一応(!?)、僕も修了生ですが、初めて「カルチュラル・クリエイティブス」なる言葉を耳にしました。新展開なのでしょうか。



 その経緯はともあれ、おもしろい言葉だと思います。社会デザインとか公共政策というと、どうしても「政治的位相」からの社会変革のあり方を考えるように思われがちです。しかし、自分自身も、大学院に入る際、研究計画書でも記したのですが、文化的位相からの社会変革こそ、実は「草の根の地殻変動」となるものだと思います。



 正統派マルクス主義では、文化の問題は経済的次元に還元されるという考えになってしまいますが、構造主義マルクス主義では、政治・経済・文化の三つの次元が相対的に自律しており、三者の関係は相互規定的で重層決定的であるとされます。しかも、文化が社会の上部構造にあるという考えが、構造主義マルクス主義にはあります。



 こう考えると、社会を変えるためには、文化から変えていく必要があるのかもしれません。僕が大切にしている参加型学習という新しいツールもまた、文化を創造するものです。参加型学習が破壊する文化は「沈黙の文化」であり、創造する文化は「対話の文化」です。(詳しくは、パウロフレイレ自由のための文化行動亜紀書房を参照のこと)



 さてさて、カルチュラル・クリエイティブスとして世に送り出された私ですが、うまく文化をクリエイティブな形で提示していけているでしょうか。うむむ、自問自答。課題は多いなぁ(苦笑)