ドラッカーさん、ありがとう。

mnpo.jpg 本日、現代経営学や経営哲学の父とも言われる、P.F.ドラッカー氏が亡くなられました(享年95歳)。



 経営学の様々な概念を生み出し、マネジメントを語る上では欠かせない同氏ですが、それはNPOのマネジメントにおいても同じです。



 私も取り組んでいるNPOのマネジメント支援という仕事は、同氏の『非営利組織の経営』(ダイヤモンド社、1991年)という本が大きな支えとなっています。



 私自身、BHにいた頃に、読書会で同書を読み、強く影響を受けたことから、同書を代表とするマネジメントにかかる良い研究成果がより日本のNPOの現場でも用いられるように、と思いながら、NPOマネジメント支援の活動に取り組んでいます。



 同氏の『非営利組織の経営』は本当に多くの示唆を与えてくれるものですが、特に心に残ったのは、次の「何をもって記憶されたいか」という投げかけでありました。



 非営利機関にかかわる人間が、繰り返し繰り返し、自分自身と組織に問いかけるべき究極の問題は、こういうことだと思う。「貢献と成果について、自分はいかなる責任を持つべきか。貢献と成果について、この機関はいかなる責任を負うべきか。この機関と自分は、何によって記憶される存在となるべきか」。(同書p.179)



 私はいつもこの問い、「何をもって記憶されたいか」を自らに問うている。これは自分自身を刷新することを促す問いである。この問いは、自らを異なる人物として、つまり、そうなりうる人物として見るよう仕向けてくれる。(同書p.248)



 経営学やマネジメントの本で、何度読んでもその度に新しい発見や気づきがある、というのは、多くないと思っているのですが、ドラッカーの本は何度読んでも、読み飽きることはないと言えます。読む度に違う箇所で、「さて私はどうか」と問わされ、自己変革の必要性に気づかされます。

 

 昨日の連続としての明日ではなく、絶えず新たな明日を創造していくこと、そのことを心がけ続けたいと思います。



 変化をマネジメントする最善の方法は、自ら変化をつくりだすことである。(P.F.ドラッカーネクスト・ソサエティダイヤモンド社、2002年、p.63)