渡名喜島で過ごす2日間

tonaki4.jpg 18日と19日は、沖縄本島を離れ、渡名喜島という離島で過ごしました。これまで行った離島とは違い、観光客がほぼいない島で、里帰りで行くような村だなと感じました。



 ただ、この渡名喜は、沖縄には2地域しかない、重要伝統的建造物群保存地区の一つで、昔ながらの村並み、そして家のつくりが多く残っており、非常に味わい深い島でした(一緒に行ったメンバーが「フール(豚の飼育所)が残っている家がこんなにも続くのは珍しい」とか「この石積みの技術はすごい!」とか、少し興奮しながらも色々と解説をしてくれたおかげで、僕も味わえました)。



tonaki3.jpg ぱっと外から集落全体を見ると森みたいに見えますが、これは防風林となるフクギが多いからだけではなく、地面より堀下げたとろこに家があるということも理由になります。掘下げていると風からは守られても、浸水しやすいのでは?と思われるかもしれませんが、手もとの資料によると地下10mまで白砂であるため、砂が雨水を吸収してしまい、家まで押し寄せてくるのは稀だそうです。地形を活かした生活の知恵ですね。



 こうしたヴァナキュラー(土着的)な自然環境との付き合い方は、もっと評価されてしかるべきでしょう(環境社会学生活環境主義は、まさにそうした流れのものです)。これまでは、ユニバーサルな知をどうローカルコンテクストに合う形で活かしていくのかという、「当てはめ」的な考え方(theory into practice)が強かったのでしょうが、「なぜ過去はうまくいっていたのか?」といい問いを立てれば、全く別の視点(theory in practice)が出てくるのは当然でしょうね。



tonaki2.jpg  ちなみに、今回、一緒に島に行ったメンバーの一人が、2001年9月11日に渡名喜を襲った強力な台風で被災した村の復興ボランティアに行っていたこともあり、つながりがあった渡名喜村役場にも挨拶へ行きました。お話の合間合間から、重要伝統的建造物地区の指定を受けたことによる村民のジレンマも少し感じました。「伝統」的なものの保存と、今住む人の快適さとの両立の難しさを垣間見た気がしました。

 なお、ここまでの記述だと村落調査の趣が強かったようですが、もちろん(!?)、折角の離島、ということで、海でも泳ぎましたし、干潮時にはリーフまで歩いていき、軽く潜って魚を見たりもしましたよ。浜で夕涼みしながら見た月は圧巻でありました。いやぁ〜きれいでした。



okiban.jpg で、島から帰ってきた19日の晩は、島の釣人の方にいただいた魚と貝を用いての晩餐会をまちわくで行いました。今回の訪沖最後の夜もまた、このようにして美味しい食事とお酒とともに、楽しく過ぎ去っていったのでした。