概念を操作せよ

 昨日・今日と、東京に出張。京都の大学「学び」フォーラムを、7月10日に池袋で行うので、その営業(趣旨説明)と、あわせて高大連携に関する現場のニーズヒアリングをするためです。



 僕は幸いにして、今年は担当数が少なかったので、一つ一つの学校で、比較的ゆっくりと先生とお話させていただきました。その中で、おもしろい話だなと思ったのが、最近の高校生は「概念を概念として受け取る力がない」との指摘でした。

 

 その学校の先生いわく、「難関」といわれる大学への合格のためには、そうした「概念操作」ができる、それぐらいの思考力が必要だそうで、一見、受験には必要がないような小論文の指導に力を入れ始めているのだとか。



 いくつもの概念を、それ単独で理解しても、概念同士をリンクさせていく力がなければ、いい論文を書くことはできませんが、概念操作の力が落ちているとの高校の先生のご指摘が正しいのであれば、大学でもそうしたトレーニングが必要ですね。



 もちろん、私も学校周りをする時にも言ったのですが、大学での学びへの動機づけの希薄化を解消せずして、諸々のトレーニングを試みても、効果は出ないと思います。単なる学力低下や概念操作力の低下であれば、高校なり大学なりがしっかりとトレーニングすればいいわけで、問題はそうしたトレーニングを受けたい、と動機づけるものの不在に他なりません。