めぐりめぐる本。

 AmazonのユーズドブックスでD.ヘントン/J.メルビル/K.ウォレッシュ『市民起業家−新しい経済コミュニティの構築』(日本経済評論社、1997年)を購入したところ、その本ははむ(公益・非営利支援センター東京)などでご一緒している坂本文武さんのものだったことが判明。出店者は坂本さんのパートナーだったのでした。



 まぁ、同業者ですから、買い求める本が似るのは当然な話ですが、まさかAmazonを介して、知っている人(しかもお仕事仲間)から買い求めることになるとは思いもよらなかったので、正直、びっくりしました。



 「(ネットって)すごいなぁ」と素朴/単純に思う反面、「なんで知り合いなのに、“わざわざ”Amazonを介しているのか?」という、違和感も沸きます。ネットでのある種の珍事は、(今回で言えば、坂本さんと僕という)私たちのオフラインにおける新しいコミュニケーションのありようを提示しつつ、同時に何かが欠けているのかも提示しているように思えます。もちろん、それが良いとか悪いとかではなくです

 ちなみに、このようにして手に入れた、『市民起業家』ですが、なかなかにおもしろい一冊でした。同書が示す「市民起業家によるコミュニティ構築」の4ステップにおける市民起業家の役割の内、4つめの段階での役割の一つ(「師匠」)が、日本の市民起業家では果たされていないことが(実は)多いのではないかと思っています。



 市民起業家が「師匠」として行動する、ということは、次の3つのことをすることだと同書はいいます。



・継続的な協働のためにプラットフォーム(活力基盤)を構築する。

・市民起業家精神が持続する文化を醸成する。

・輪を広げ、コミュニティに新規参入者を迎え入れる。



 なかなかに示唆深いものですよね。これを支援センター「のみ」の仕事とせずに、市民起業家の役割と言い切るところに意味があるように私は思います。