企画書の「あらさ」と「あささ」

 先日、シチズンシップ共育企画のメンバーの書いた企画書を相方と一緒にチェックしていて、企画書の「あらさ」と「あささ」について、話題になりました。

 企画をグループ内でもみあっていく段階で求められる企画書は、たとえ言葉は粗削りであっても深みが欲しいもの。ミッションへの共感や専門知識等の理解が低い外部の人間に分かってもらえるかどうかを気にすることなく、こだわるべきところにこだわり、自分たちの言葉で書けばいいのですから。つまり、「あらさ」はOKだけど、「あささ」はNGで、「ふかさ」が必要、ということです。

 しかし、企画を社会に出していく段階で求められる企画書は、洗練された言葉である必要があります。企画はつくっていく中で手間ひまをかければかけるほど、それ故に「思い」は膨らんでいき、どうしても「あれもこれも」と詰め込んでしまいがちに。そうしたいろいろな事項をなんとか複雑な論理でつなげて、何とかひとつの企画としてのまとまりを形づくるということは珍しくありません。ですが、そうした複雑なつながりは、初めて企画書を見る人からすれば、当然分かりにくい。ミッションへの共感や専門知識等の理解が低ければ、なおさらです。

 ですから、社会に出すときには、専門的な事はできる限り「あさい」くらいの言葉で表現して分かりやすくし、また、あれこれある「思い」はできるかぎり削ぎ落としていって、高密度の言葉でエッジをきかせるべきでしょう。「あらさ」はNGだけど、(「ふかさ」に裏打ちされた)「あささ」はOK、ということです。

 企画書をチェックするとき、その企画書がどのフェーズのものかということで、チェックする視点は変わっていくものですね。