Simple & Sharp Concept

pen.jpg 岐阜出張のお供にと購入した雑誌『pen』の最新号は、「一冊まるごと佐藤可士和。」という特集。佐藤さんは、デザインについて興味を持っていれば、必ず聞くことになるアート・ディレクターの一人。今回の特集は、勢いが増し続ける佐藤さんを解剖する試みです。



 幾つかの佐藤語録が印象に残りました。「優れたコンセプトが人を動かす。」「付け加えるよりぎ落として、モノの本質に迫りたい」…。目に見えるモノのデザインをしている佐藤さんの言葉は、目に見えない社会のデザインを考えていく上でも非常に示唆的です。



 特に考えさせられたのが、後者の言葉。社会デザインの試みは、オルタナティブな提案を行なう行為ですが、「付け加える」発想でのデザインは、必要以上に、ごちゃごちゃしちゃうし(一層の複雑化)、何より今の社会デザインの基本設計の延長線上になってしまいますよね。



 「削ぎ落とす」発想での社会デザイン、まだ具体イメージは沸いていませんが、何かが浮かびそうです。



 ちなみに、モノの本質に迫るという意味では、佐藤卓さんの仕事も参考になります(『デザインの解剖』シリーズ参照)。



 日本デザイナー学院大阪成蹊大学芸術学部と二つのアート&デザイン系の学校で講師をさせてもらったおかげで、デザインの世界にも関心を持つようになりました。偶然って本当に不思議で魅力的なものですね。