わたしのしごとかん

 シチズンシップ共育企画のサイトでもご報告の通り、この日から大学の授業を担当しています。日本デザイナー学院に引き続き、アート&デザイン系の学校です。これもご縁でしょうね。受講生の皆さん、僕は2ヶ月間だけの担当ですが、どうぞよろしくお願いします。



 で、授業の最後に配った「コミュニケーションシート」で、「『はたらく』と聞いて思い浮かぶ言葉を3つあげると?」と尋ねてみました。今どきのワカモノの労働観の一端を垣間見ることができるのではないでしょうか。



 まずは、上位5位の言葉をご紹介しましょう。



1位 お金(16)  

2位 大変(7)

3位 生活(5)

4位 成長(4)、責任(4)、コミュニケーション(4)

5位 収入源(3)、自立(3)、大人(3)、やりがいのあること(3)、しんどい(3)、つかれる(3)、肉体労働(3)



 こうみると、そんなに労働観の変化はないのかな、という気がします。



 なお、言葉としては、同一でなかったので、票としては伸び悩んだものの、似た言葉が多く出たのは「残業」や「過労」、「休みがない」「時間にしばられる」「休みが楽しみ」といった、労働時間(と休み)に関するものでした。



 この本によれば、現在、世界中で労働時間は増加傾向にあり、日本でも一日10時間を越える割合は35%に至っているとのこと(身の回りを見ていると、もっと割合が高そうな気もしますが…)。



 「休みを頂戴いたします。」と休暇をとるときに使う慣習的表現は、全ての時間を会社に預けて、そこから休暇時間をいただく、という構造を感じさせるものです。この構造は、休暇をとることや早くに帰ることに「申し訳なさ」を抱かせる構造でしょう。



 「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が、最近注目を集めだしていますが、この言葉が実体化するには、「自分の時間」のうち、これだけの時間を労働時間として会社に提供する、という認識が広がる必要があるのではないかと思います。



 「わたしの時間」のオーナーは誰か? この問いを忘れると、「わたしの時間」のオーナーは自分でなくなっているかもしれません。