ただよい続けるチカラ。

 どう生きるのか。どう働くのか。どう成長していくのか。こうした問いへの答えは、すぐに決められるものではないでしょう。また、すぐに答えを出すべきものでもないでしょう。

 しかし、未来の方向性を早くに決めて、その未来に向けて計画的に行動していくことを望ましいこととする傾向が若者の間で少なからずあるように思われます。成長を焦る若者は増えるばかりです。確かに未来を描くことも、行動することも大事なことですが、果たしてそれだけでよいのでしょうか。

 私は「ただよい続けるチカラ」も重要ではないかと考えています。性急に答えを求めず、問いを抱えながら動き続ける。決めきらないことの不安定さに耐え、吟味を加えられる。そのような力です。この力を育むためには、若者が安心してただよい続けられる環境が求められます。

 ただよいながら、問いを温められる環境を整えることを大切にしながら、未来をつくる担い手を育む学びの場づくりに2011 年も取り組んでまいります。よろしくお願いいたします。
 (2011年の年賀状より)